【ブランド深掘り】ラコステの魅力を再発見!アラフィフだからこそ分かる“ワニ”のすごさ

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こんにちは、Red hurlのまさきです!

皆さんは「ラコステ」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?🐊

おそらく、多くの人が

  • 「あのワニのマークのポロシャツ」を想像するんじゃないでしょうか。
  • 「お父さんが着てるブランド」とか、
  • 「ちょっと落ち着いた、コンサバな服」といった印象を持つかもしれません。

かくいう僕も、20代の頃はそうでした。

正直に言うと、「ラコステ?なんか地味で、おじさんの服だよね」と、友人と服屋を巡っていても、ラコステのコーナーは素通りしていました。当時は、もっとロゴが大きくて主張の強いストリートブランドや、奇抜なデザインのTシャツに夢中だったんです。

でも、あれから20年以上の時が経ち、アラフィフとなった今、改めてラコステの魅力にどっぷりハマっています。

古着屋としてラコステを扱うようになり、その歴史や哲学を深く知れば知るほど、「これは若い頃には分からなかった、大人が楽しむためのブランドだな」と心から思うようになりました。

今回は、そんな僕が再発見したラコステの奥深い魅力について、皆さんにお伝えしたいと思います。単なるファッションブランドではなく、その裏側に秘められたストーリーを知れば、きっとあなたも「ワニ」を見る目が変わるはずです❗️

ワニの誕生秘話:テニスコートから始まった革命

ラコステの物語は、創業者であるルネ・ラコステのテニスへの情熱から始まりました。

テニス界のレジェンド、ルネ・ラコステ

ルネ・ラコステは、1920年代に「クロコダイル」の異名で知られたフランスの伝説的なテニスプレイヤーでした。グランドスラム大会で何度も優勝し、世界ランキング1位に輝くなど、当時のテニス界を牽引するスーパースターだったのです。

しかし、当時のテニスウェアは、現代の私たちが想像するようなスポーティーなものではありませんでした。主流だったのは、長袖の白いワイシャツにネクタイ、そしてフランネルのパンツというスタイル。動きにくく、暑苦しく、とても快適とは言えないものでした。

ルネ・ラコステは、この不便なウェアに疑問を抱きます。彼は「テニスはもっと自由に、もっと快適にプレーするべきだ」と考えました。

世界初のポロシャツ、その誕生

そこで彼が目をつけたのが、フランスの繊維産業で用いられていた「鹿の子(かのこ)編み」でした。

この編み方は、通気性に優れ、肌触りがサラサラとしており、汗をかいても肌にまとわりつきにくいという特徴があります。ルネは、この鹿の子編みの生地を使って、テニスの動きを妨げない半袖のシャツを開発しました。

これが、後のファッション史に名を刻む「世界初のポロシャツ」の原型です。

それまでのテニスウェアの常識を覆す、画期的なアイテムでした。このシャツは、テニスコートを飛び出し、瞬く間に世界中の人々の間で広まり、カジュアルウェアの定番として定着していくことになります。

ワニのアイコン、その本当の由来

ラコステを語る上で欠かせないのが、胸に鎮座するあの小さなワニのマーク。誰もが知るこのロゴには、とてもユニークなエピソードが隠されています。

ルネ・ラコステが「クロコダイル」というニックネームを得たのは、とある試合中のことです。

彼は、試合で負けそうになりながらも、決して諦めず、獲物を狙うワニのように粘り強く相手に食らいつくプレースタイルで有名でした。

そんな彼の姿を見たアメリカのジャーナリストが、「彼はまるでワニのようだ」と評したことがきっかけで、そのニックネームが定着したのです。

ルネ自身もこのあだ名をとても気に入り、試合のたびに持ち歩いていたテニスバッグに、ワニのイラストを刺繍してもらいました。これが、ブランドのトレードマークとなるワニのルーツです。

今でこそ、ブランドロゴがウェアに付いているのは当たり前ですが、実はラコステがその先駆けだったという事実は、あまり知られていません。

彼がスポーツウェアにロゴを付けたことで、他のブランドも追随し、今日のファッションのスタイルが形作られていったと言っても過言ではないでしょう。

よく混同される「クロコダイル」との決定的な違い

ラコステについて語るとき、必ずと言っていいほど話題になるのが、**「クロコダイル」**というブランドとの関係です。

両方とも爬虫類をモチーフにしたロゴで、一見すると同じように見えますが、実は全くの別物です。

ブランド名創業年発祥地ロゴ特徴
ラコステ (Lacoste)1933年フランス左向きのワニテニス由来のスポーツ&カジュアルブランド
クロコダイル (Crocodile)1952年シンガポール右向きのワニビジネスカジュアル寄りのアパレルブランド

決定的な違いは、創業年と発祥地。ラコステの方が約20年も歴史が古く、テニスというスポーツから生まれたブランドであるのに対し、クロコダイルはよりビジネスカジュアル寄りの路線で発展しました。

実はこの二つのブランド、過去に商標をめぐって法廷で争った歴史もあります。しかし、最終的にはロゴのデザインや使用地域をうまくすみ分ける形で和解に至りました。

パッと見では分かりにくいですが、**「フランス生まれのラコステは左向きのワニ」「シンガポール生まれのクロコダイルは右向きのワニ」**と覚えておくと、間違えることはありません。

20代の僕には分からなかった、ラコステの“地味な”魅力

ここからは、僕の個人的な話になりますが、若い頃の僕がなぜラコステに魅力を感じなかったのか、正直にお話しします。

当時は、ファッションに個性を求めていました。

大きなロゴ、派手な色、個性的なグラフィック…。

そういった「一目でどこのブランドか分かる」「他の人とは違う」アイテムを好んでいました。

そんな僕にとって、ラコステのポロシャツはシンプルすぎました。

  • 色は白、黒、ネイビー、グレーなど落ち着いたものばかり。
  • ロゴは胸にちょこんとワニがいるだけ。
  • デザインにこれといった主張がない。

「これならユニクロでもいいんじゃないか?」とさえ思っていました。

友人と古着屋を巡っても、ナイキやアディダス、シュプリームなどのストリートブランドを探し回る一方で、ラコステは完全にスルー。僕の目には、「近所のおじさんがゴルフに行くときに着ている服」としか映らなかったんです。

アラフィフになって気づいた、ラコステの本当の価値

しかし、アラフィフになり、ライフスタイルもファッションに対する考え方も大きく変わりました。

若い頃のような流行を追いかけるよりも、**「自分に似合うもの」「長く着られるもの」「着ていて心地よいもの」**を重視するようになったんです。

そんな僕の目に、ラコステはまったく違ったものとして映り始めました。

1. 究極の「着回し力」

ラコステのアイテムは、とにかくシンプルです。この「シンプルさ」が、アラフィフの僕には最高の魅力に感じられます。

どんなパンツにも合わせやすく、着回しが効きます。ジーンズに合わせれば上品なカジュアルスタイルに、チノパンと合わせればクリーンな印象に。スラックスと合わせれば、まるで映画の主人公のようにシックな着こなしが完成します。

2. 「清潔感」と「上品さ」

ラコステのアイテムには、独特の「清潔感」と「上品さ」が漂っています。

鹿の子素材のポロシャツは、汗をかいてもベタつかず、いつでもシャキッとした印象を保ってくれます。また、ロゴが控えめなため、嫌味な派手さがなく、誰からも好感を持たれやすいんです。

若い頃は「地味」と感じた部分が、年齢を重ねた僕には「大人の余裕」として映るようになりました。

3. 年齢を重ねてこそ似合う“本物”の存在感

ラコステの服は、派手さで主張するのではなく、素材の良さ、シルエットの美しさで魅力を発揮します。

これは、人生経験を重ね、服の良し悪しを見抜く力がついた大人だからこそ、その価値を理解できるのかもしれません。

僕が古着屋としてラコステを扱うようになってからは、さらにその思いは強くなりました。

特にヴィンテージのポロシャツやニットは、何十年も前に作られたものとは思えないほど、しっかりとした作りをしています。これこそが、流行に左右されない「本物」の服なのだと実感しました。

ラコステの代表的なアイテム、古着屋店主のおすすめ

ラコステの魅力は、ポロシャツだけではありません。ここからは、古着屋の店主として、僕が特におすすめしたいラコステのアイテムをご紹介します。

1. ポロシャツ:永遠の定番

言わずと知れた定番中の定番。鹿の子素材のサラリとした着心地は、暑い夏でも快適そのものです。

ラコステのポロシャツは、体型に合わせてジャストサイズを選ぶのがポイント。ピタッとしすぎず、かといってダボつかない、絶妙なサイズ感を選ぶことで、清潔感のあるきれいめコーデが完成します。

また、カラーバリエーションが豊富なのも魅力です。定番の白やネイビーはもちろん、ヴィンテージならではのくすんだ色味も魅力的。

2. ニット・セーター:隠れた名品

ラコステのニットは、実はかなりの名品です。

上質なウールやコットンを使ったニットは、シンプルながらも品があり、ロゴが控えめにワンポイント入っているだけで、グッと雰囲気が増します。

特に冬場は、古着市場でも非常に人気が高く、状態の良いものはすぐ売れてしまいます。

3. スウェット・パーカー:大人のためのカジュアルウェア

スウェットやパーカーというと、どうしてもカジュアルすぎるイメージがありますが、ラコステのものは一味違います。

スポーティーすぎず、かといってカジュアルすぎない、絶妙なバランスのデザイン。40代以降が着ても「若作り感」がなく、むしろ落ち着いて見えるのがラコステならでは。

部屋着っぽくならないように、ボトムスにスラックスやきれいめのパンツを合わせると、大人のリラックススタイルが完成します。

4. アウター:周りと差をつける隠し玉

ラコステのアウターも実はおすすめです。

ナイロンジャケットやブルゾン、ダウンベストなど、スポーツ由来のブランドらしく、軽量で動きやすいのにシルエットがとてもきれいです。

ノースフェイスやナイキといったアウトドア・スポーツブランドのアウターも素敵ですが、「大人っぽさ」を求めるならラコステが一歩上です。

派手なロゴやデザインがないため、どんなインナーにも合わせやすく、旅行やちょっとした外出にも重宝します。

古着市場でのラコステの魅力

古着屋をやっている立場から見ると、ラコステは非常に扱いやすい、魅力的なブランドです。

1. 安定した需要

流行に左右されない定番アイテムが多いため、常に安定した需要があります。

特にポロシャツは、季節を問わず売れるロングセラーアイテムです。

2. 広い年齢層

若い世代は「レトロ」「Y2K」といったキーワードでラコステの古着を探し、アラフィフ世代は「良質なものを手頃に」という視点で探しています。

幅広い年齢層に人気があるため、売れ行きも安定しています。

3. 変わらない価値

シンプルだからこそ、状態の良いものは長く着られ、価値が落ちにくいのが特徴です。

「新品はちょっと高いな…」という方でも、古着なら手の届きやすい価格で見つけることができます。

まとめ:ラコステは“大人のためのブランド”

ラコステは、単なる「おじさんブランド」ではありません。

それは、歴史と伝統、そして「シンプル」「上質」「清潔感」という普遍的な価値を併せ持つ、大人が着ることでその魅力が最大限に引き出されるブランドなのです。

若い頃には、その魅力に気づけませんでした。

でも今は、「ラコステを着こなせる大人になれてよかった」と心から思います。

ファッションにおいて、派手さや流行だけがすべてではありません。

「さりげなく」「自然体で」かっこよくいられるのが、ラコステの真骨頂。

もしもあなたが、かつての僕のように「ラコステ=おじさん服」と思っているなら、ぜひ一度、袖を通してみてください。

年齢を重ねた今だからこそ、その小さなワニマークが、あなたの心に新鮮に映るはずです。

そして、その服を身につけたあなたは、きっと新しい自分に出会えるでしょう。

ファッションは、自分自身を表現する最高のツールです。

さあ、あなたの新しい「お気に入り」を見つけに、ワニのいる場所へ旅に出てみませんか?

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